2020/8/31に新たに日興アセットマネジメントにより発表された、NASDAQ 100に連動する国内ETFの2568と2569について、9/24の上場以降、検討されている方も多いと思います。この記事では、いくつかの前提条件を設定した上で、これらのパフォーマンスをシミュレーションします。
はじめに
2020/8/31に新たに日興アセットマネジメントによりNASDAQ 100に連動する国内ETFの2568と2569が発表されました.
2568と2569については以下の記事をご参考ください。
気になるのはそのパフォーマンスですが、NASDAQ100に連動する前提で、指数に連動する株価騰落率は等しいとした場合、その他の要因である、ファンド手数料率や、配当金にかかる税金の扱い等によって、トータルパフォーマンスにはどのような差が出てくるのでしょうか。
この記事では、いくつかの前提条件を設定した上で、これらのパフォーマンスを比較します。
結論
最初に結論を書きますと、私のシミュレーションでは、以下の通りとなります。
以下に記載する、シミュレーションの前提は、結果の正しい理解のために必ずご確認ください。
一括投資100万円、20年間投資
順位 | 銘柄 | 最終実質利回り |
---|---|---|
1位 | 海外ETF: QQQ | 1515.4% |
2位 | 国内ETF: 2568/2569 | 1478.9% |
3位 | 投資信託: iFNQ100 | 1434.8% |
4位 | 国内ETF: 1545 | 1416.6% |
積立毎月5万円、20年間投資
順位 | 銘柄 | 最終実質利回り |
---|---|---|
1位 | 海外ETF: QQQ | 505.4% |
2位 | 国内ETF: 2568/2569 | 498.2% |
3位 | 投資信託: iFNQ100 | 487.1% |
4位 | 国内ETF: 1545 | 483.5% |
前提条件
以下に本シミュレーションの前提条件を書きます。前提条件によって大きく結果は異なりますので、あくまでこの結果はこれら前提の上での実験結果と捉えてください。
投資計画
投資計画は、以下の2パターンを想定します。
- パターンA: 最初に100万円を投資
- パターンB: 毎月5万円を20年間積立投資する積立投資
- 投資期間は20年間
- いずれも課税後配当金は再投資
ファンド手数料率と配当金にかかる税金
以下表に比較対象とするETFと投資信託をまとめました。
項目 | 海外ETF | 国内ETF | 国内ETF | 投資信託 |
---|---|---|---|---|
略称 | QQQ | 2568/2569 | 1545 | iFNQ100 |
管理会社 | Invesco | 日興アセットマネジメント | 野村アセットマネジメント | 大和アセットマネジメント |
ファンド手数料率 | 0.200% | 0.375% | 0.595% | 0.554% |
配当金 | 手動再投資 | 手動再投資 | 手動再投資 | 自動再投資 |
配当金にかかる税金 |
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(*1) 確定申告による外国税控除が可能です。
特に配当金周りに関するポイントは、3つです。
- 国内・海外ETFでは配当金は自分で再投資が必要だが、投資信託では自動的に再投資される。
- 海外ETFでは、米国税10%分は、確定申告の外国税控除で取り戻しが可能
- 国内ETFと投資信託では、配当金にかかる税金は国内税のみで、確定申告による外国税控除は不要
その他手数料に関する条件
項目 | 海外ETF | 国内ETF | 投資信託 |
---|---|---|---|
銘柄 | QQQ | 2568/2569/1545 | iFNQ100 |
購入時手数料 | 0.495% (22ドルが上限) | なし | なし |
ファンド手数料 | 上述の通り | ||
売却時手数料 | 0.495% (22ドルが上限) | なし | なし |
為替手数料率 | 1ドル4銭(片道) | なし | なし |
その他の条件
- 積立と配当金再投資
- 投資信託およびETFは、最低購入金額の最低購入金額を無視して購入可能
- 配当率は月当たりに換算し、毎月配当金が発生
- 売却
- 積立期間満了後、全ての株および投資信託を一括で売却または解約
- 海外ETF売却後は、全額をドルから円に転換
- 為替
- 為替レートは1ドルあたり107円で固定
- 配当率と騰落率
- 騰落率は投資期間中15.40%で固定
- 配当率は投資期間中0.69%で固定
ETFと投資信託は、以下で示すモデルで投資されるものとします。
結果
一括投資100万円20年間の結果
QQQ、国内ETF 2568/2569, 投資信託 iFQN100、国内ETF 1545の順にパフォーマンスが優先
順位 | 銘柄 | 最終実質利回り |
---|---|---|
1位 | 海外ETF: QQQ | 1515.4% |
2位 | 国内ETF: 2568/2569 | 1478.9% |
3位 | 投資信託: iFNQ100 | 1434.8% |
4位 | 国内ETF: 1545 | 1416.6% |
積立投資、毎月5万円20年間の結果
こちらも結果は変わりません。
QQQ、国内ETF 2568/2569, 投資信託 iFQN100、国内ETF 1545の順にパフォーマンスが優先
順位 | 銘柄 | 最終実質利回り |
---|---|---|
1位 | 海外ETF: QQQ | 505.4% |
2位 | 国内ETF: 2568/2569 | 498.2% |
3位 | 投資信託: iFNQ100 | 487.1% |
4位 | 国内ETF: 1545 | 483.5% |
まとめ
単純なシミュレーション結果では、本家の海外ETFが最もパフォーマンスが高い結果となりました。ただ、これはあくまで購入最小単位を無視したシミュレーションになっていますので、配当金の端数を効率的に再投資に回せなかった場合は、ETFのパフォーマンスは不利になる可能性があります。このあたりは、実際のご自身の投資スタイルに併せて結果を読み替えて見ていただければと思います。
こちらの記事もご参考ください。