インデックス投資は簡単なようで難しい

2020年9月2日に最高値をつけてから、3580.8ドルをつけてから、9月23日に3236.9ドルと約3週間の間に10%近く下落しました。そして、現在10月16日は3483.8ドルと8%ほど戻しています。このような乱高下の中で頻繁に売買することは良いパフォーマンス成績につながるのでしょうか.

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2020年9月10月の乱高下

以下は2020年2月末から、10月16日までのS&P500の株価チャートです。

このように9月10月の米国株の株価は、乱高下が続いています。長期投資の方にとって、このような大きな下落の際に、一度売って買い戻すのが正しい戦略なのでしょうか?

短期的に安く買って高く売ることが出来たらあなたは大金持ち

もしかしたら長期投資家の方の中には、9月の大きな下落の中で持っていたインデックスファンドのポジションを手放してしまった方もいるのではないでしょうか。そのような方は、おそらく、高い時に売って安い時に買うということを目的にしているのだと思います。けれども本当にそのようなことは可能なのでしょうか。

以下は、9月と10月の乱高下の期間のS&P500指数のチャートです。

あなたはどのポイントで株価が上昇し、株価が下落するか予測することが出来ていたでしょうか?

安く売って高く売るとは簡単な表現ですが、短期的に株式投資で実際にこれを行える人はほぼいないでしょう。あなたがそのような投資手法を戦略におこなえるのだとすれば、あなたは未来の株価を予測していることになります。あなたがどのような根拠であれ、将来の短期的な下がる上がることを見込んで売買をしているのだとすると、あなたはその手法を繰り返すことで、短期間に大金持ちになる手法を既に心得ていることになります。

しかし現実的には、株価を予測出来ている、あるいはなんらかの方法で株価の上下落を用いて短期的な利益の獲得を繰り返すことが出来る人はごく僅かでしょう。

売買を繰り返せば、税金の分だけ損をする

もちろん投資家の方の中には、たまたま売った値段よりも安く買い戻すことが出来たかもしれません。また、運悪く売った値段よりも高く買い戻した方もいるかもしれません。けれども、株価の下落と上昇は予測出来ない前提にたつと、同じようなトレードを繰り返せばあなたが買い戻す株価は、売値と同じ金額に収束します。税金の詳細の話は本質ではないので省略しますが、年間の取引で利益が出ている分あなたは含み益分の利益を税金として支払ったことで、資産は目減りしていることになります。

大きな調整局面の度に、売買を繰り返した結果、資産があまり増えない可能性については、以下の記事で解説していますのでご覧ください。

インデックス投資家は日々のニュースに踊らされてはいけない

日々Twitterのタイムやテレビ、YouTubeからは、様々な理由で株価チャートのトレンドを予想し、購入と売却を煽るニュースで溢れています。

  • 欧州再ロックダウンを懸念して下落
  • 大統領選挙討論会への警戒感から下落
  • トランプ大統領のコロナ感染すれば下落
  • トランプ大統領が退院すれば上昇
  • 追加経済対策の合意可能性が高まれば上昇

結果論で言えば、株価の上下落は上記のようなイベントで発生したと説明がされますが、一ヶ月後の株価を予想できる人はいないでしょう。それでも人はニュースを見て、下がるかも、上がるかもといった情報に左右されてしまいます。結果として、自分のポジションを売って買い戻すことで損失を最小限に抑えよう、利益を得ようといった、短期売買の投資家と同じ行動に出てしまい、資産を目減りさせてしまうのです。

インデックス投資によるタイミング売買は、占いと同じ

短期的な株価を予測することは誰にも出来ないでしょう。予測できないものに対して日々のニュースにもとづいて上がる、下がると予想を立てるのは、占いと同じに見えます。ましてやそのような占いを根拠に、資産を売却・購入する行動はとても不思議に思えます。

もし、占いの中にも根拠があって統計的優位性が示せるものがあるかもしれません。そのような占いを信じている方にはすいません。

結果的には株価は戻っている

それでは、一般的な長期投資家がこのような調整局面において、どうすればよいのでしょうか。以下は1992年から2020年10月までの株価チャートです。

ご覧いただいて分かるように、長期トレンドでは株価は常に最高値を更新しています。つまりどのような調整局面でも売買をせずにホールドしていれば、最終的には株価は戻っているので、含み損は解消されることになります。もちろん、リーマンショックやITバブルのように株価が長期に渡って戻らない可能性もあるため、十分な長期間ホールドすることが前提です。

インデックス投資は、恐らく最も単純で、簡単な投資手法の一つでしょう。ただインデックスファンドを購入し放置をすれば良いのです。けれどの多くの投資家が途中で売買を繰り返し結果的にはインデックスファンドの投資成績を下回ってしまいます。

インデックス投資家は、日々のニュースにとらわれずホールドが王道

インデックス投資家のみなさんは、日々の株価の大きな調整で不安に思っている方も多いと思います。そのような時、今一度自分の投資方針を思い出してください。なぜインデックス投資を始めたのか。それは株価の予想が出来ないがそれでも平均的な投資成績を収めたいという思いからだったのではないでしょうか。今一度、ご自身の投資方針を再確認していただければと思います。

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