Yahoo! Finance徹底活用! (ETF編)

皆さん、Yahoo! Financeはご活用していますか?私も投資を始めてから多くの先輩方が使っているのを見て、見様見真似で使い始めました。沢山のデータが掲載されていて大変便利と思いますが、実際使ってみるとデータの定義が書かれていないため、どのように数字を評価していいか分からず、十分な活用が出来ていないと感じるようになりました。

私自身が、これらのデータの意味を理解するために自分自身でも確認を行いながら計算したものが、皆様のお役にも立つかもしれないと思い、本記事を執筆いたしました。

目次

注意事項

注意事項2点をご了承ください。

  • 本記事はETFのみを対象としています。
  • Yahoo! Financeの仕様は公開されておらず、本ページで導いているデータの定義については不正確な可能性があります

銘柄の検索方法

Yahoo! Finance を訪問します。以下のページから調べたい銘柄情報を入力して検索ボタンを押しましょう。自分が調べたい銘柄が出てきたら、クリックします。

Summaryページの見方

まず最初にサマリーページを見てみましょう。以下は7/26時点のVanguard S&P 500 ETF (VOO)の例です。Yahoo! Financeのページは7/24 (金)のクローズ後、7/26 (日)に確認しています。

項目解釈
Previous Close296.74最終日前日終値
Open294.86最終日の開始値
Bid294.40 x 900
Ask294.24 x 900
Day’s Range293.30 – 295.81最終日の最安値と最高値
52 Week Range200.55 – 311.59最終日から遡った52週間の最安値と最高値
Volume2,832,293最終日のVolume (推測)
Avg. Volume4,345,361最終日過去3ヶ月間のVolumeの平均
Net Assets533.81B純資産額
NAV291.83基準価額
Yield1.88%分配利回り
YTD Daily Total Return-0.42%年初来トータルリターン
Beta (5 Year Monthly)1.00Beta
Expense Ratio (net)0.03%経費率
Inception Date2010-09-07ファンドの設定日

ここでは、最終日は2020/7/24、最終日前日は2020/7/23となります。データの定義が自明ではないものについて、解説します。

52 week Range

200.55は2020/3/23の最安値、311.59は2020/2/19の最高値です。

Volume

Historical Dataでダウンロード出来るDailyデータによると、2020/7/24のVolumeは2,849,900なのでYahoo! Finance数字が合いません。データの取得元が違うのかもしれません。Trading Viewでみると、2020/7/24のVolumeは2.851Mとなっているため、ツールによって若干のばらつきがあるようです。

Avg. Volume

この値はHistorical Dataでダウンロード出来るDailyデータを元にした2020/4/27~7/24のVolumeの平均と一致します。

Net Assets

基準日は不明です。Vanguard 公式ページによると2020/6/30時点のFund total net assetsが$533.6Bとなっています。

VOO – Vanguard S&P 500 | Vanguard

NAV

基準日は不明です。2020/7/10の終値が291.8と比較的近いため、2週間程度前の基準価額を表しているのかもしれません。Vanguard公式ページによると、2020/7/24時点のNAVは294.74です。

VOO – Vanguard S&P 500 | Vanguard

Yield

直近4回分の分配金の合計は以下の通り。これを2020年6月の終値で割ると1.88%となり一致します。従って、過去直近12ヶ月間の分配金の合計÷最終月の終値で計算しているものと推測されます。

分配金発生日分配金 通貨単位:米ドル
Jun 29, 20201.433
Mar 10, 20201.178
Dec 23, 20191.429
Sep 26, 20191.301
合計5.341

YTD Daily Total Return

Performanceの見方でも、調査したのですが、この数字にたどり着く算出式を導くことはできませんでした。どなたかご存知のかたがいらっしゃったら教えて頂けると幸いです。

Chartページの使い方

Yahoo! Financeの強力な機能の一つであるチャート機能をご紹介します。後述しますが、Comparisonが特に優秀な機能です。

チャートで特に重要な機能のは以下の3つです。

  • Comparison:他の銘柄とチャートを比較出来ます。複数のチャートを重ねて表示することが可能です。複数の銘柄やETFを比較する際にとても便利です。
  • Date Range:期間を設定出来ます。例:2019年の年初から年末まで、コロナ渦の2020/3/2の最安値から現在まで
  • 単位:1分、1時間、1週間、1ヶ月、1年等の単位でチャートを見ることが出来ます。

上記のチャートの例では、VOOとVTを比較しています。また、7/24を基準に過去1年間のチャートを1日単位で表示しています。

Historical Dataの使い方

Yahoo! Financeの強力な機能の一つです。指定した期間の株価データを指定した単位でダウンロード出来ます。ダウンロードすることで、様々な分析に役立ちます。

重要な機能を紹介します。

  • Time Period:期間を選択します。データは利用可能な時点まで遡って取得出来ます。長期間に渡る分析では大変重宝します。
  • Show:Historical Pricesを選択すると、全ての株価と分配金のデータを表示します。Dividends Onlyを選択すると分配金データのみを表示します。
  • Frequency:日、週、月毎から選択できます。
  • Download:データをCSV形式でダウンロードできます。

以下は、Yahoo! FinanceでダウンロードしたCSVデータの例です。

Holdingsの見方

複数の情報が表示されていますが、以下の2つだけを簡単に紹介します。

Sector Weightings (%)

ETFに含まれる銘柄のセクター比率です。

Top 10 Holdings (XX% of Total Assets)

ETFを構成する上位10銘柄です。多くのETFデータベースサイトでは、ETFの構成上位10銘柄までは掲載してくれています。しかし、無料では11位以下の銘柄を掲載しているサイトは多くありません。掲載されていても取得が面倒だったりします。Yahoo! Financeでも上位10銘柄のみが表示されます。

Performanceの見方

パフォーマンスを見る時は、必ず期間を指定することになります。最初に期間を表す用語を整理します。期間は、YTD Monthly、1-Year Daily、Annual 2019といった用語で表します。しかし、私は最初この意味を理解するのにとても苦労しました。改めてその内容をここに整理いたします。

パターン1 Trailing

Trailingは衣類の裾などを引きずる、植物が地面を這うといった意味です。この場合、さかのぼってというニュアンスで捉えるのが妥当だと思います。Trailingでは、期間の始まりと終わりの用語をそれぞれ一つずつ組み合わせて指定します。例えば、YTD Monthly、1-Year Dailyといった風になります。

期間の終わりを表す用語

用語意味
Daily (Day End)前日まで
Monthly (Month End)前月まで
Quarterly (Quarter End)前クォーターまで

期間の始まりを表す用語

用語意味
1-Month指定された終わりから1ヶ月間分遡って
3-Month指定された終わりから3ヶ月間分遡って
YTD (Year To Date)年初から指定された終わりまで

例えば、今日が2020/7/24の場合は以下のようになります。

  • YTD Monthly:2020/1/1から2020/6/30までを表します。
  • 1-Year Daily:2019/7/24から2020/7/23までを表します。

パターン2 Annual

これはシンプルで、その年の年初から年末までの期間を指定します。例えば、

  • 2019 Annual:2019/1/1から2019/12/31までを表します。

注意

ただし、いずれも注意した方が良いのは、その期間における株価の騰落率を言う場合、対象期間前の最終株価を基準に比較するということです。例えば、

2019 Annualの騰落率は、2018年12月末の終値の229.81と2019年12月末の終値の295.8を用いて28.72%であるといった具合になります。2019年の1月年初の株価を用いないことに注意してください。

Annual Total Return (%) History

これらを踏まえた上で、Yahoo! FinanceのPerformanceページの値を確認します。まずはAnnual Total Return (%) Historyからです。

ここでの注意ポイントは以下です。Total Categoryは無視します。

  • 指定した年のそれぞれの1年間の年初から年末までのTotal Returnを表示
  • Total Returnには、対象期間の株式の騰落率(キャピタルリターン)だけではなく、分配金によるリターン(インカムリターン)も含む

このデータはバンガードの公式のページに乗っているパフォーマンスデータと同一です。

バンガード公式ウェブサイト

これらのデータどのように計算されるか確認してみます。

騰落率(キャピタルリターン)の計算

以下はYahoo! FinanceのHistorical Dataから取得したデータを元に、各年のキャピタルリターン(トータルリターン)を計算したものです。バンガードのサイトでは、キャピタルリターンを基準価額に基づいて計算しているようですが、ここでは簡単のため市場価格で計算を行っています。

基準年月(始)株価(終値)基準年月(終)株価(終値)騰落率
20192018/12229.812019/12295.828.72%
20182017/12245.292018/12229.81-6.31%
20172016/12205.312017/12245.2919.47%
20162015/12186.932016/12205.319.83%

ほぼ数字は合いました。0.2-0.3%程度合いませんがあまり気にしないことにします。おそらく基準価額を用いるか市場価格を用いるかの違うの気もします。

分配金利回り(インカムリターン)の計算

Yahoo! FinanceのHistorical Dataからダンロードした分配金のデータを利用してそれぞれの年の年間分配金を合計します。対前年末の株価で÷ことで分配金利回りを求めると以下のようになります。

年間分配金株価基準年月株価分配金利回り
20195.5712018/12222.96292.50%
20184.7372017/12245.291.93%
20174.3682016/12205.312.13%
20164.1382015/12186.932.21%

こちらもバンガードの公式ページの数字と0.2-0.3pt程度数字があいませんが、あまり気にしないことにします。

これら年間騰落率と年間分配金利回りを合計し、年間のトータルリターン (Annual Return)が計算されます。以下はYahoo Financeの株価データと分配金データから計算したトータルリターンですが、先程のバンガードのトータルリターンとほぼ同じ結果になることがわかりました。考え方自体は間違っていないようです。

騰落率分配金利回りトータルリターン
201928.72%2.50%31.22%
2018-6.31%1.93%-4.38%
201719.47%2.13%21.60%
20169.83%2.21%12.04%

従って、Annual Returnについては以下の方法で算出していることが分かります。

  • Annual Returnは、それぞれの年の一年間の騰落率に該当期間の分配金利回りを足して算出している。

Trailing Returns (%) Vs. Benchmarks

次いでTrailing Return (%)の値の確認します。CategoryとのBenchmarksは無視します。

Trailing Returns (Monthly)

これらの値がどのように計算されているのか、実際に導出を試みてみます。早速ですが、以下に結果をまとめて書きます。前述の期間の定義から、基準年月(始)と基準年月(終)およびその時点の株価を確認することが出来ます。

  • 実際には、期間によって分配率は異なるが、簡略のためすべて最新の分配率である1.88%を用いる。
  • 期間が1年未満の場合は、分配金は期間分に換算する。
  • 期間が1年より大きい場合は、年間騰落率は以下で年換算する。$ \left(\frac{A}{B}\right)^{\left(\frac{1}{N}\right)}ここでNは年数。$
  • トータルリターンは年間騰落率と分配率を足して得られる。
期間基準年月(始)株価(終値)基準年月(終)株価(終値)株価騰落率分配率年間騰落率トータルリターン
YTD2019/12295.82020/6283.43-4.18%1.10%N/A-3.09%
1-Month2020/5279.752020/6283.431.32%0.16%N/A1.47%
3-Month2020/3236.822020/6283.4319.68%0.47%N/A20.15%
1-Year2019/6269.152020/6283.435.31%1.88%N/A7.19%
3-Year2017/6222.062020/6283.4327.64%1.88%8.47%10.35%
5-Year2015/6188.842020/6283.4350.09%1.88%8.46%10.34%

期間によっては、0.5pt程度ずれることもありますが、全ての期間でほぼ近い値となっているのでこれも良しとします。1年以上のケースのパフォーマンスを年換算することについては、以下のページで記載されています。Yahoo! Financeは数字の定義が書いていないので読み解くのが大変です。

Time periods greater than 1 year are annualized

VOO – Morningstar

Performance Overview

最後にPerformance Overviewで表示されている値です。

Trailing Returns (Daily)

これらの値がどのように計算されているのか、実際に導出を試みてみます。早速ですが、以下に結果をまとめて書きます。前述の期間の定義から、基準年月日(始)と基準年月日(終)およびその時点の株価を確認することが出来ます。期間が先程がMonthlyであったのに対し、今回はDailyであることに注意してください。

  • 実際には、期間によって分配率は異なるが、簡略のためすべて最新の分配率である1.88%を用いる。
  • 期間が1年未満の場合は、分配金は期間分に換算する。
  • 期間が1年より大きい場合は、年間騰落率は以下で年換算する。$ \left(\frac{A}{B}\right)^{\left(\frac{1}{N}\right)}ここでNは年数。$
  • トータルリターンは年間騰落率と分配率を足して得られる。
期間基準年月日(始)株価(終値)基準年月(終)株価(終値)株価騰落率分配率年間騰落率トータルリターン
YTD2019/12/31295.82020/7/24294.82-0.33%1.10%N/A0.77%
1-Year2019/7/24276.762020/7/24294.826.53%1.88%N/A8.41%
3-Year2017/7/24226.692020/7/24294.8230.05%1.88%9.15%11.03%

YTD Dailyのみだけ値が大きく異なります。それ以外は最大で0.6ptのずれとなりました。許容範囲と思います。YTDに関しては、おそらくYahoo! Financeでは分配率を加味していないと推測されます。定義が書かれていないので分かりません。

Riskページの見方 (工事中)

Riskについては、まだ解説が出来ませんが改めて記事を執筆したいと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。投資を行う皆さんの間ではYahoo! Financeはとても有名なサイトですよね。ChartやHistorical Dataなど、個別のETFについて調べる際に便利な機能が豊富です。

Yahoo! Financeのデータの見方について、是非皆さんもご活用頂ければと思います。

尚、Yahoo! Financeのデータの定義は公開されておりません。将来的に仕様が変わる可能性もございます。また、本ページの結果は細心の注意を払って計算をしておりますが、誤り等がある場合もございます。そのため、内容の正確性については保証出来ないことをご了承ください。

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