Vissles V84の魅力と課題
Vissles V84はMacとWindowsをキーボードだけで簡単に切り替えられるという魅力的な機能を持っています。この機能性は非常に気に入っています。しかし、静音赤軸のキーの感触には少し違和感を感じていました。
そのような中、Epomakerのキーボードを試す機会があり、その際にFlamingoスイッチを体験しました。このスイッチはリニアながらも、押下時のフィードバックがしっかりと感じられ、自分の好みにピッタリでした。
この体験をきっかけに、Vissles V84のスイッチをEpomaker Flamingoに交換することを決意しました。
キースイッチの交換手順
1. キーキャップの取り外し
最初のレイアウトは以下のような状態です。後でキーキャップを間違えて取り付けないようにこの状態で写真を取っておきます。
キーキャップ自体は比較的容易に取り外しが可能です。付属の工具を下まで押し込み、ワイヤーがキーキャップの底に入るようにします。Enterキーなどの中くらいの大きさのキーは少し幅が広いのですが、勇気を持ってワイヤーを広げれば入ります。スペースバーは更に幅が広いため、スペースバーの幅にワイヤーを広げる勇気がないので、片方ずつ外します。
2. キースイッチの取り外し
スイッチの取り外しはコツがいります。リムーバーのピンセットで取り外しますが、ピンセットで奥と手前をつまむようにしましょう。つまむためのくぼみがスイッチの奥と手前についているためです。少しピンセットを強めに押し当ててから挟むようにすると、このくぼみにしっかりと噛み合ってくれて、外しやすいです。このコツを分かっていないと、ピンセットが何度もすべり大変効率が悪いです。
なお、キースイッチを取り外してみると、LEDがくぼみの上側についていることが分かります。Vissles V84のキーキャップはABSでLEDの光を透過する作りになっています。キーキャップの透過部分はキーの名称が印字されている上側になっているため、LEDの光を効率よく透過させられる設計になっていることが分かります。
また、Vissles V84のフレームは取り外しが出来ます。外周にあるスイッチはピンセットがフレームと干渉して入りづらいため、フレームを取り外してから作業することをおすすめします。最初、力を入れてもフレームは外れないような気がするのですが、浅い突起でひかっかっているだけなので、どこか一箇所フレームを外側に広げてからずらすと外しやすいです。
3. キーボードのごみ掃除
ゴミを掃除します。スライム状のダストリムーバーを使いましたが、3年くらい使ってなかったため、粘着がキーボードに残り、汚れてしまったので、使うのを諦めました。古くなったスライムのダストリムーバーは一旦どこか汚れてもいいところで試してから使うようにしましょう。
キーボードの掃除にはダストブロワーまたはガムテープが良いです。ガムテープで表面上の汚れだけでなく、くぼみの中もある程度綺麗にできます。スイッチ交換の際に掃除しておくことをおすすめします。
掃除し終わってきれいになったVissles V84の土台です。
4. キーキャップの掃除
更にキー自体も掃除しました。あまり掃除する機会がないので、このようなタイミングできれいにしておくと気持ちがいいですね。
5. Flamingoスイッチの取り付け
掃除の後は、Flamingoスイッチを挿入していきます。垂直になるように注意しましょう。斜めにさすとピンが折れることがあります。私はこれでピンを一本折り、スイッチを破壊しました。
Flamingoスイッチは一箱35個入です。私は3箱買って105個のキースイッチを用意しました。1つか2つは壊すリスクがあるので、ギリギリの数にならないようにしましょう。
スイッチの見た目はこのような感じです。
スイッチをすべてFlamingoに付け替えた写真がこちらです。ピンク色で可愛いです。見えないところにピンク色を使うところがおしゃれなのかもしれません。例え見られなくても毎日勝負下着を履いている。そんな気分です。
6. キーキャップの取り付け
後はキーキャップを取り付けていくだけです。ここはあまり気にすることはありませんが、間違えてキーキャップをつけないように注意しましょう。最初に取った写真を見ながらはめていきます。この作業、なにかに似ているとここで感じました。そうです、ジグソーパズルです。無心になって全てのキーをセットしましょう。
全てのキーキャップを取りつけて完成した状態がこちらです。
交換後の感想
スイッチを全てFlamingoに変更した後のVissles V84は、機能性と感触の両方で大変満足しています。キースイッチ交換の情報はあまり多くないため、この記事が参考になれば幸いです。
また、今回はVissles V84のスイッチの交換体験を記事にしましたが、最近はキースイッチを交換出来るいわゆるホットスワップ対応のキーボードでも同様の手順で交換が可能です。人気のあるKeychron K2 Proなどのキーボードでもホットスワップ対応なので、是非そちらでスイッチ交換を検討している人も試してみてください。
作業時間のまとめ
約1時間程度かかりました。
作業内容 | 所要時間 (分’秒) |
---|---|
キーキャップの取り外し | 5’27 |
スイッチの取り外し | 19’18 |
キーキャップの掃除 | 12’34 |
スイッチの取り付け | 9’39 |
キーキャップの取り付け | 10’08 |
合計 | 57’06 |
おまけ:キーキャップの比較と選択
EpomakerのPBTキーキャップとVissles V84のABSキーキャップにはそれぞれの特徴があります。PBTキーキャップは触感が良い一方、LEDの光を透過しづらいため、ライティングを重視する方はABSキーキャップも検討の余地があります。
左がEpomaker TH80 SEのキーキャップ、右がVissles V84のキーキャップです。