2020/8/19にはS&P500が取引時間帯中最高値を更新しました。コロナショック直前の最高値が2020/2/19でしたので、約6ヶ月で最高値を取り戻したことになります。セクターごとに見てみるとどうでしょうか。順調な回復を見せているセクターもあれば、そうでないものもあります。本記事では、セクターごとにコロナショック時の下落率と回復率を分析してみます。
目次
セクターごとの回復傾向
以下はセクターごとの株価、騰落率を示したものになります。10種類のセクターにベンチマークとしてS&P500を加えています。セクターETFにはバンガードのETFのデータを使用しています。
表にある日付は以下の意味を持ちます。
- 2/19はコロナによるS&P500指数大幅下落の日付です。いわゆるS&P500の過去最高値の日です。
- 3/23は2/19から8/19まででS&P500指数が最も低い値をつけた日付、いわゆるS&P500の底値の日です。
- 8/19はS&P500指数が最高値を更新した日付です。いわゆるS&P500の全戻しの日です。
この表は一番右のカラムすなわち2/19から8/19までの騰落率でソートしています。
セクターを下落率と上昇率のセグメントで分類してみます
以下のバブルチャートは、下落率 (2/19 →3/23)と上昇率 (3/23 → 8/19)をバブルチャートにしたものです。
- バブルの大きさは回復率(2/19→8/19)を表しています。
- バブルの色の意味は次の通りです。緑バブル:回復済、赤バブル:回復中
以下の4つのセグメントに分類することが出来ます。
セグメント | セクター | 分析 |
---|---|---|
低下落・高上昇 | 一般消費財・サービス 情報技術 素材 | そもそもコロナショックでの下落が小さく、かつコロナ需要により高い回復を示した |
低下落・低上昇 | ヘルスケア 通信サービス 生活必需品 公益事業 S&P500 | いわゆる景気の影響を受けにくい防衛セクターにあたり下落が小さかったが、回復も遅い |
高下落・低上昇 | 金融 資本財・サービス エネルギー | コロナで大幅に下落。その後の回復も比較的ゆっくり。 |
まとめ
S&P500指数はコロナショック前の最高値を更新しました。セクターごとに好調不調を見てきました。今後は、コロナ後に順調な回復を見せたセクターのさらなる回復と、回復途上にあるセクターの順調な回復がS&P500指数全体のさらなる最高値更新の鍵となります。