【指数】S&P500とNYダウの計算方法の違いとは?初心者にも分かりやすく解説。

世の中には様々な株価指数があります。日本では、日経平均株価やTOPIX。アメリカではNYダウ工業株30種、S&P500、グローバルでは、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス等です。実はこれらの株価の算出方法には大きく分けて2種類あります。これらの違いを説明します。

目次

代表的な株価指数が採用している算出方法

それでは、世界のか代表的な株価指数がそれぞれどちらの算出方法を採用しているのか確認してみます。

ここからは、株価指数を省略して以下のように書く場合があります。

  • 株価平均型株価指数:平均株価指数
  • 時価総額加重平均型株価指数:時価加重平均指数

株価平均型株価指数と時価総額加重平均型株価指数

平均株価指数時価加重平均指数
日経平均株価(日本)
NYダウ工業株30種(米国)
TOPIX(日本)
S&P500指数(米国)
ナスダック総合株価指数(米国)
FTSE100指数(英国)
上海総合指数(中国)
MSCIワールド・インデックス
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス

代表的な株価指数の多くが、時価加重平均指数を採用しています。

単純平均と加重平均の違い

例えば、あるお店で3種類のランチを販売しています。このお店のランチのメニューの単純平均(算術平均)は1,200円です。

しかし、実際には、ラーメンは一日6食、ステーキは1食、パスタは2食ずつ合計9食売れているとします。そうすると、1食あたりの平均単価は以下のように800円となります。

このように,売上数や規模などの要素を含む平均には、単純平均よりも加重平均を用いる方が適切です。

平均株価指数と時価加重平均指数の違い

2つの株価指数の計算方法を実際に見てみましょう。

株価平均型株価指数とは

株価平均型株価指数とは、対象となる銘柄の株価を全て合計し、銘柄数で割って算出される株価指数のことです。

\begin{equation}
株価平均型株価指数 = \frac{構成銘柄の株価の合計値}{構成銘柄数}
\end{equation}

単純平均の性質から、株価が高い銘柄の影響を強く受けています。

時価加重平均型株価指数とは

時価総額加重平均型株価指数とは、構成銘柄の時価総額の合計値を基準時点での時価総額で割った値で計算される株価指数のことです。

\begin{equation}
時価総額加重平均型株価指数 = \frac{構成銘柄の時価総額合計値}{基準時点の時価総額合計}
\end{equation}

先程と同様の株価の変化が起きた場合、指数変化は以下のようになります。

各銘柄の時価総額の合計値で計算される性質から、時価総額の大きな銘柄の影響を強く受けます。実際には、基準時点での時価総額を基準値として指数化し、時価総額の変化率から指数を算出しています。

同じ株価の変化でも、平均株価指数と時価加重平均指数では、計算方法の違いにより、指数がプラスとマイナスと大きな違いが出ました。</p

実際の株価指数変化から見る違い

実際の指数と株価チャートで違いを見てみたいと思います。

NYダウ工業株30種 vs S&P500指数

  • NYダウ工業株30種:平均株価指数
  • S&P500指数:時価加重平均指数

※ 2020年9/15までのYTD

P500指数(時価加重平均指数)の方が、NYダウ工業30種株価(平均株価指数)を上回る結果になりました。

日経平均株価 vs 東証株価指数

※ 2020年9/15までのYTD

日経平均株価(平均株価指数)が東証株価指数(時価加重平均指数)を上回る結果になりました。

まとめ

株価平均型株価指数と時価総額平均型株価指数の違いを確認しました。現在は、米国の代表的な株価指数であるS&P500をはじめとして、多くの株価指数は、時価総額平均型株価指数を採用しています。

また、時価加重平均指数の方が、時価総額の合計値で計算される性質上、市場の成長率をより適切に表しているとも考えられます。

是非、指数の計算方法を理解した上で、日々の株価指数をチェックするとより楽しく株価チャートが見れると思います。どうぞ、ご活用ください。

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