4つの米国ETFの徹底解説!(AIQ、BUG、EBIZ、SOCL)

日本の大手証券会社で、新たに以下の4つの米国ETFの取り扱いが開始されました。その特徴やパフォーマンスをまとめます。また、QQQとの比較を行います。

目次

追加されたETF

SBI証券では2020/7/15、楽天証券では2020/7/10から取り扱いが開始されています。

外国株式・海外ETF|SBI証券

【海外ETF】AI関連株等に投資できるグローバルXのETF4銘柄を新規取扱開始!| 楽天証券

2020年7月に新たに取り扱いが開始された4つの米国ETF

ティッカー銘柄名称銘柄概要
AIQGlobal X Artificial Intelligence & Technology ETF
グローバルX AI & ビッグデータETF
Indxx・アーティフィシャル・インテリジェンス・アンド・ビッグデータ・インデックス(Indxx Artificial Intelligence and Big Data Index)の価格およびイールドのパフォーマンス(手数料および費用控除前)に連動する投資成果を提供することを目指すETF
BUGGlobal X Cybersecurity ETF
グローバルX サイバーセキュリティ ETF
Indxx ・サイバーセキュリティ・インデックス( Indxx Cybersecurity Index)の価格およびイールドのパフォーマンス(手数料および費用控除前)に連動する投資成果を提供することを目指すETF
EBIZGlobal X E-commerce ETF
グローバル X eコマースETF
ソラクティブ e コマース・インデックス(Solactive E-commerce Index)の価格およびイールドのパフォーマンス(手数料および費用控除前)に連動する投資成果を提供することを目指すETF。
SOCLGlobal X Social Media Index ETF
グローバル X ソーシャルメディア ETF
ソラクティブ・ソーシャルメディア・トータル・リターン・インデックス(Solactive Social Media Total Return Index)の価格およびイールドのパフォーマンス(手数料および費用控除前)に連動する投資成果を提供することを目指すETF。

いずれも、AI、サイバーセキュリティ、eコマース、ソーシャルメディアといった今後の成長が期待できそうな分野特化型のETF

各銘柄の比較

ティッカーシンボルAIQBUGEBIZSOCLQQQ
運営会社Global XGlobal XGlobal XGlobal XInvesco
ファンド設立日2018-05-112019-10-252018-11-292011-11-141999-03-10
ファンド経費率0.68%0.50%0.50%0.65%0.20%
配当率0.57%N/A0.13%N/A0.66%
純資産額50.63M23.59M25.36M156.44M115.23B
投資地域GlobalGlobalGlobalGlobalU.S.

ベンチマークのためにQQQも入れています。データはいずれも7/24時点にYahoo! FinanceまたはSBIで証券から取得したものです。以下にQQQと比較した場合の特徴をまとめます。

  • Global X社が運営
  • 投資対象は米国ではなくグローバル
  • ファンド設立からまだ日が浅い
  • 純資産額が小さい (QQQの1,000分の1程度)
  • 経費率が高い
  • 配当率が低い
セクターAIQBUGEBIZSOCL
素材0.00%0.00%0.00%0.00%
一般消費財12.99%0.00%63.88%0.12%
金融0.00%0.00%3.49%0.00%
不動産0.00%0.00%3.56%0.00%
生活必需品0.00%0.00%5.34%0.00%
ヘルスケア0.00%0.00%0.33%0.00%
公益事業0.00%0.00%0.00%0.00%
電気通信サービス17.10%0.00%9.16%98.10%
エネルギー0.00%0.00%0.00%0.00%
資本財・サービス8.38%0.00%0.00%0.00%
情報技術61.52%100.00%14.23%1.78%

セクターの構成比率から言えることをまとめます。

  • AIQ, BUGは情報技術の構成比率が高い
  • EBIZは一般消費財の構成比率が高い
  • SOCLは電気通信サービスの構成比率が高い

各ETFの特徴

AIQ

Top 10 Holdings (36.19% of Total Assets)

NAMETICKERNET ASSETS (%)
Meituan Dianping36904.66%
NVIDIA CorpNVDA4.19%
Amazon.com IncAMZN4.09%
Netflix IncNFLX3.63%
Tencent Holdings Ltd7003.59%
Shopify Inc ASHOP.TO3.46%
Adobe IncADBE3.45%
Microsoft CorpMSFT3.40%
Facebook Inc AFB2.88%
Salesforce.com IncCRM2.84%

多くは、AIの専業企業というわけではなく、本業のサービスでAIを活用している企業が上位を占める。また、NDIVIAはGPUコンピューティングでAIの需要に貢献。

BUG

Top 10 Holdings (56.18% of Total Assets)

NAMETICKERNET ASSETS (%)
Zscaler IncZS8.35%
Okta Inc AOKTA6.77%
Fortinet IncFTNT6.51%
Palo Alto Networks IncPANW5.97%
CrowdStrike Holdings Inc Class ACRWD5.68%
Check Point Software Technologies LtdCHKP5.20%
NortonLifeLock IncNLOK4.77%
Tenable Holdings IncTENB4.39%
Avast PLCAVST.L4.35%
Trend Micro Inc47044.19%

コロナ渦によるリモートワークニーズから需要が大幅に高まったエンドポイントセキュリティやアイデンティティ管理を多く含む。

EBIZ

Top 10 Holdings (54.9% of Total Assets)

NAMETICKERNET ASSETS (%)
WAYFAIR INC- CLASS AW7.07
SHOPIFY INC – CLASS ASHOP6.91
ETSY INCETSY6.56
AMAZON.COM INCAMZN5.34
OCADO GROUP PLCOCDO LN5.17
EBAY INCEBAY5.13
MERCADOLIBRE INCMELI5
JD.COM INC-ADRJD4.97
VIPSHOP HOLDINGSVIPS4.53
NETEASE INC-ADRNTES4.22

コロナ渦によるステイホームの代表とも言えるEコマース系銘柄を中心に構成。銘柄はグローバルで構成されており、日本の楽天も含まれる。

SOCL

Top 10 Holdings (66.6% of Total Assets)

NAMETICKERNET ASSETS (%)
FACEBOOK INC-CLASS AFB9.26
TENCENT HOLDINGS LTD700 HK9.17
TWITTER INCTWTR8.72
NAVER CORP035420 KS8.55
SNAP INC – ASNAP6.79
SPOTIFY TECHNOLOGY SASPOT6.47
YANDEX NV-AYNDX4.92
MATCH GROUP INCMTCH4.54
NETEASE INC-ADRNTES4.15
ALPHABET INC-CL AGOOGL4.03

ソーシャル系のグロース企業を中心に構成。

株価騰落率の比較

過去2年間のチャート

若干QQQが最も株価の上昇率が高いが、どれも同程度のパフォーマンス。

YTDのチャート

2020年年初からの株価上昇率。QQQよりも他が株価上昇率は優先する。

トータルパフォーマンスの比較

株価上昇率と配当利回りをあわせたトータルパフォーマンスを見てみます。ベンチマークとしてQQQとVOOを足します。

Trailing Returns (%) Day End比較

ティッカーシンボル1-Month3-MonthYTD1-Year3-Year5-Year
AIQ4.9823.6320.3226.54
BUG7.5927.5926.45
EBIZ5.0234.0333.0030.31
SOCL4.6234.9130.0833.3114.5618.23
QQQ4.8619.7220.6632.0121.8619.23
VOO5.5313.910.638.5911.3211.32

※3-Year, 5-Yearは年利回りに換算済。データはMorningstar.comより引用。

  • 2020年以降、BUG、EBIZ、SOCLはのトータルパフォーマンスは、コロナ渦で圧倒的な回復を見せたQQQを優先
  • 2020年以降、AIQのトータルパフォーマンスはQQQを若干下回るがVOOを優先
  • 比較的ファンド設立が昔のSOCLは、5-Yearで見てもQQQとほぼ互角のトータルパフォーマンス

まとめ

2020/7/15にSBI証券で購入可能になった4種類の米国ETFを調べてみました。以下にメリット・デメリットをまとめます。

メリットデメリット
アフターコロナでもQQQを上回る圧倒的な回復
QQQと違い特定の分野に対する集中投資
グローバルへの投資
経費率の高さ
ファンド設立日からの日の浅さ
純資産の少なさ
テーマが外れた時のリスク

是非皆様の投資にご活用いただければ幸いです。

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